2023.11.27

近隣トラブルになる前に!土地の境界を確定させる方法

親の代から住んでいる土地などでは、境界が明確ではないことが問題となる場合があります。境界が明確でないまま放置すると、不動産取引の際や近隣住民とのトラブルが発生する可能性もあります。
土地の境界を調べる方法と、もしもの時のトラブル解決方法について説明します。

土地の境界を調べる方法

  1. 01.法務局で土地情報を調べる

    • 登記事項証明書(登記簿謄本)を取得し、土地の所在、地番、面積、所有者などの情報を確認します。
    • 地図(14条地図)や公図、地積測量図を入手して、境界線を調査します。
  2. 02.土地家屋調査士に依頼する

    • 土地家屋調査士に境界確定測量を依頼すると、土地の境界を明確にすることができます。土地家屋調査士は国家資格を持ち、不動産登記や境界確定に関する専門知識を持っています。
    • 土地家屋調査士であれば「筆界特定制度」の代理申請も可能ですし、さらにADR手続代理認定土地家屋調査士であれば土地家屋調査士会ADR(境界問題相談センター)への調停申立の代理も可能です。

次に、土地の境界をめぐってお隣とトラブルになってしまった際の対処法について説明します。

トラブル解決法

  1. 01.話し合いで解決

    • 原則は、隣接土地所有者と境界の問題について話し合うことです。境界が明確になり、合意できれば一応の解決ということはできます。ただし、筆界ではなく所有権界で合意する等、根本的な解決にはならない場合もありますので、注意が必要です。
    • 筆界の確認、境界標の設置、「境界確認書」の作成など、土地家屋調査士に境界確定測量を依頼することで、将来にわたるトラブルの防止、売買及び相続をスムーズに進めることができます。
  2. 02.筆界特定制度

    • すでにトラブルとなり、話し合いが難しい場合は、「筆界特定制度」を活用して、土地の筆界を特定することもできます。
      筆界特定制度は法務局に申請することで、筆界特定登記官がその土地の筆界の位置を特定します。筆界制度は裁判よりも低コストかつ短期間で境界を特定でき、証拠価値も高いとされています。
    • 土地家屋調査士に筆界特定の代理申請を依頼することができます。
  3. 03.土地家屋調査士会ADR

    • 土地家屋調査士会ADR(境界問題相談センター)に調停を申立て、トラブルの解決を図ります。
      筆界特定制度では筆界のみの特定ですが、土地家屋調査士会ADRであれば所有権の範囲についても話し合うことができます。土地家屋調査士会ADRでは、土地家屋調査士と弁護士が調停人として関与し、和解を促進します。
    • 土地家屋調査士会ADRでは当事者双方が話し合う意思を持ち、解決する意欲が不可欠となりますが、和解成立後に相隣関係が良好になることも期待できます。
    • ADR手続代理認定土地家屋調査士であれば代理で調停申立することが可能です。
  4. 04.民事裁判・民事調停

    • 上記の方法でも問題が解決しない場合、所有権確認訴訟や筆界確定訴訟を提訴することもできます。

境界の明確化は不動産取引や隣地所有者との良好な関係の維持のために重要です。専門家の支援を受けながら、問題を解決する方法を選択しましょう。

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